当院では一日でも早い身体の痛みや不具合からの
回復を考え、ご自宅での過ごし方もいくつか指導
させていただいています。
その1つがお風呂の入り方です。
私が提案させていただいているのは
『ぬるめのお風呂にゆっくり浸かること』です。
具体的に言いますと、お湯の温度は38度から41度
夏場は38度、冬場は熱くても41度まで。
ゆっくり浸かる時間は15~20分ほどです。
このお風呂の入り方は、自律神経に働きかける
ことが目的です。
自律神経とは、自分の意思とは関係なく、
刺激や情報に反応して、体の機能をコント
ロールしている神経のことです。
手や足を動かすというのは意識してできる
行動ですが、胃や腸を動かしたり血液を流す、
というのは意識してもできない行動です。
この「意識してもできない行動」は全て
自律神経がつかさどっているのです。
つまり、身体に痛みや不具合がある方は、
この自律神経のバランスが乱れている方が
多く、身体が常に緊張している(交感神経
が優位)状態です。
無意識のうちに身体に力が入っており、
リラックスしているつもりでもリラックス
出来ていないことが多いのです。
交感神経が優位な状態では、血管が縮み血流
がよくありません。リラックスしている(副
交感神経が優位)状態で血管を弛緩させ血流
をよくしてあげる必要があります。
ぬるめのお風呂にゆっくり浸かるという行為は、
副交感神経を刺激する行為で疲労回復や治癒力を
アップさせる上でかかせないものなのです。
よく熱いお風呂でササッと済ませる方がいます。
俗に言う、カラスの行水ですね。
お湯が、あまり熱いと交感神経を刺激し逆効果に
なります。朝お風呂に入る習慣がある方は、これ
から仕事で活動的にならないといけない場面では、
交感神経を刺激する必要があり熱いお風呂も間違い
ではありませんが、身体をリラックスさせ、疲労
回復を図るのであれば、ぬるめのお風呂に限ります!
当院で、椎間板ヘルニアや坐骨神経痛などの
症状で来院される方の8割以上が、入浴をシャワー
で済ませているというデータもあります。
もし、あなたが身体の痛みでお悩みなら、
まずはお風呂の入り方を変えてみてはいかが
でしょうか?
「シャワーでは、汚れは取れても
疲れは取れませんからね。」